花灯り 源氏絵詞

日本画家・羽尻昭山人(はじり しょうさんじん)が京都の四季を綴るエッセイ・俳句

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
私は今でも着物のデザインを考える仕事をしている。

つい先日も室町の有名な問屋から夏物の訪問着のデザインを依頼された。

今までは家のアトリエで大概の仕事はしてきたが、今日の仕事はA3の紙に雛型図案を描く仕事なので妻におにぎりを造ってもらい画板を携えて野外で描く事にした。

私は先ず抜けるような秋晴れの中、紫式部の邸宅跡、盧山寺へと車で向かった。

通りから中へ入ると数人の庭師が美しい松の手入れをしていた。

そんな訳で盧山寺とは道を隔てて西側の京都御所の森の中へ腰を下ろし雛型図案を描く事にした。

銀杏やケヤキ、クヌギ…などの葉がやや色づき始め秋の陽射しを一杯に受けている。

隣の梨木神社からは落葉を焚く煙が立ち上り秋の匂いが漂っていた。

世の中混沌としてきたが考え方を少し変えるだけでこんな素晴らしい環境の中で仕事が出来るんだわ、と思った。


  あな嬉し我が町内も御所ノ内

スポンサーサイト
今日ラジオでこんな歌を聴いた。

♪雨降りお月さん雲の影
  お嫁に行くときゃ誰と行く
  一人で唐傘さして行く
  唐傘ないときゃ誰と行く
  シャンシャラ、シャラシャン鈴付けた~
  お馬に揺られて濡れて行く~…

幼い頃に何回も聴いたり唄ったりした懐かしい歌である。

私はあの終戦直後の暗くて貧しい時代に覚えたこの歌を車を走らせながら口ずさんだ。

何とも悲しくて淋しい歌詞を唄うと、胸に熱いものが込み上げて涙が出て仕方なかった。


  昔から強きは女性の肝っ玉


京都山科の清水焼団地で楽陶祭が始まった。

期間中は色々な催しが企画され多くの人で賑わう。

初日の今日は山科では珍しいイベント「嶋原太夫道中」があり見に行った。

気持ちの良い秋空のもと豪華な装束に身を包んだ太夫が、禿(かむろ、女の子)や傘持ちを従えて太夫独特の内八文字の歩き方で、ゆっくり、ゆっくり…と練り歩いた。

デジカメや携帯片手の人に囲まれた美しい太夫を見て観客からは溜め息が洩れていた。

周辺には心地よい琴の音が流れ、深い編み笠をかぶって歩く虚無僧もいて、私はここに来て心身共に江戸時代の浮世絵の世界へ入ったやうな感覚になった。

  楽陶祭太夫と歩く秋の道

 | HOME |  次のページへ»

プロフィール

羽尻昭山人

羽尻昭山人
1942 - 2017 



ブログ内検索











上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。